心のビタミン〜ヴォーリズ精神に学ぶ豊かな生き方〜




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昨年2014年は、ヴォーリズが83歳で天に召されて50年の節目の年でした。
この機会に、ヴォーリズが遺した遺産の数々に感謝を捧げ、彼の働きの根底にある信仰、
隣人愛、奉仕、そして幅広い宗教観や世界観に学び、子どもたちの未来に夢と
希望を与える社会の創生に少しでもお役に立てればと願っています。
ヴォーリズの『失敗者の自叙伝』は、地域社会の街づくりや人づくりに多くの示唆を与えています。
家庭教育、学校教育、社会教育、福祉、医療、企業などの社会的責任や社会改善のための
奉仕のあり方など、今の時代の私たちが学ぶべきところが多くあります。
「緒言」の最終にこのように記されています。


「私はこの自伝を書いてみて、二つのゆるがぬ要素のあることを見つけた。
一つは、人間の個性というものは、幼年期に決まってしまうということである。
“三つ子の魂百までも”と、日本のことわざのとおり、世の親も、教育家も、
深く考えるべき問題である。その二は、宇宙の造り主は、その造られたものに、
深い親心と賢明なご計画をもっておられるということである。
そして、そのお導きに無条件に従うという自由意志さえあれば、
神は、最も無益と思われるものをも用いて生かせてくださるということである」。
この言葉は、ご自身の生涯を振り返っての述懐であると思いますが、
幼少期における教育やしつけの大切さを教えられますと共に、
子どもの幼年期における大人の責任の重さを改めて教えられるところです。


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幼少期の心の柔らかい日々に、人として豊かな成長をするために大切な種蒔きを
怠ってはならないと改めて思います。頭の良い子に育てるだけでは、
人間教育にはなりません。心も身体も健康を保ち、それぞれの成長段階において
豊かな知恵を身につけ、人々から愛される人間に成長して行くために大人が教育の
責任を果たして行くことが大切です。しなやかで柔らかい心の土壌に良い実を結ぶ種をまき、
心の手入れのお手伝いができるならば、幸いなことです。柔らかく豊かな土壌にまかれた種は、
やがて芽を出し、成長し、美しい花を豊かに咲かせるにちがいありません。
この務めを誠実に果たすことが神さまへの恩返しとなるのですが、
人間にはそれさえも難しいことです。せいぜい潜在能力の20%程度のところで満足をして
一生を終えてしまう人が多いと言われていますが、もったいないことですね。


この点においては、ヴォーリズに習うところが多くあると考えます。
信徒伝道者として、学校教育者、YMCA奉仕活動を熱心に進めた社会教育者、著名な建築家、
パイプオルガンやハモンドオルガンの奏者、音楽家、詩人。身体を患っている人々を愛と
奉仕の心で「病客」として受け入れ、医療事業などを推進した社会事業家、
また会社経営にかかわる企業家として多様な才能を輝かせた人です。
地域の若い人々がヴォーリズに学び、すばらしい個性や才能を発揮して、
輝いて地域社会の活性化や住みやすい街づくりや人づくりにつながり、
地域の「理想郷」創りに貢献してくだされば幸せなことです。
「NPO法人ヴォーリズ精神継承委員会」の働きがこの点において大きな貢献ができれば、
嬉しいことです。


次回からヴォーリズの幼少期からの人間形成の足跡をたどり、
皆様とともに学び合いをして行きたいと願っています。感謝。

NPO法人ヴォーリズ精神継承委員会
理事長 道城献一